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2025年2月20日無料公開記事洋上風力発電

海底電力ケーブルの異常検知を検討
OKIと損保ジャパンら、洋上風力発電所の普及促進へ

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光ファイバーケーブルを用いた海底電力ケーブルの異常予兆検知方法概念図

 沖電気工業(OKI)、損害保険ジャパン、SOMPOリスクマネジメントは19日、洋上風力発電所向け海底電力ケーブルの異常予兆検知に関する検討を開始したと発表した。洋上風力発電所の海底電力ケーブルに対するリスク評価と事故による損害軽減が目的で、3社はこの取り組みを通じ、洋上風力発電所の普及促進を目指す。
 洋上風力発電の導入が進む欧州では、埋設した海底電力ケーブルの露出による断線などの事故が発生しており、事業の安定運営における重要課題とされている。今後、日本でも洋上風力発電事業の発展が期待される中、この課題を解決するため、3社は海底電力ケーブル内の光ファイバーを活用した異常予兆検知の検討を始める。
 同検討で、OKIは海底電力ケーブルの周囲の温度や音響の変化を光ファイバーセンサー技術で広範囲に測定する。埋設状態や船舶が錨を下ろす際の振動などによって異常が発生した箇所をリアルタイムで検知・発報する仕組みで、これにより海底電力ケーブルの異常箇所を容易に把握でき、海底ケーブルの状態把握にかかるメンテナンスコストを大幅に削減可能。また、船舶が錨を下ろすことによる破損事故などの発生原因の判断にも活用が期待されるという。
 静岡県沼津市にある水中音響計測施設「SEATEC NEO」で行った実験では、光ファイバーケーブルの埋設と露出の状態では温度と音響の違いがあることが分かり、海底電力ケーブルでの異常予兆検知が可能となることが確認された。
 損保ジャパンとSOMPOリスクは、洋上風力発電所が安定的に電力供給を行うため、OKIの技術を活用し、洋上風力発電設備のリスクを適正に評価し、洋上風力発電事業者への事故抑止と被害軽減に向けたアドバイスの提供や、異常予兆検知サービスを付帯した新たな保険商品の開発などの検討を進める。

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