2026年1月23日無料公開記事港で輝く女性たち

《連載》港で輝く女性たち⑩
産休・育休経て港湾倉庫業務で活躍
笹田組倉庫部お台場出張所・丸山洋子さん

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 人口約4000万人を擁する首都圏の生活と産業を物流面で支える東京港。同港・青海ふ頭の倉庫でフォークリフトオペレーターとして活躍するのが笹田組倉庫部お台場出張所の丸山洋子さんだ。さまざまな作業を手掛けることができる倉庫の仕事に魅力を感じて入社。その後、フォークリフトの運転免許を取得し、仕事の幅を広げながら産休・育休を経て現在も仕事を続けている。丸山さんは「私自身、実際に倉庫で働いてみて自分もフォークリフトに乗ってみたいという気持ちが強くなりました。今後はぜひ女性の後輩とも一緒にフォークリフトを動かして働いてみたいです」と話す。丸山さんに仕事のやりがいなどを聞いた。

 ― 現在の業務内容は。
 「フォークリフトオペレーターとして働いています。また、私が働いている倉庫は食品から薬品まで多くの輸入貨物を取り扱っており、私はコンテナ貨物の検品やラベル貼付などの業務も手掛けています。現在の業務に就いて21年目。フォークリフトは会社のサポートを受けながら入社後1年ほどで免許を取得し、運転するようになりました」
 ― 物流業界で働き始めたきっかけは。
 「入社前にパートとして当倉庫で働いたことがきっかけです。そのころの主な仕事は検品作業でしたが、実際に働いてみると倉庫にはいろいろな仕事があり、やりがいを感じました。またフォークリフトにも乗ってみたいと思うようになりました。その後、会社から声をかけていただいたこともあり、入社を決めました。入社後はフォークリフトの運転をはじめ、それまでよりも難しい作業に携わるようになりました。現在、お台場出張所の社員は40人。このうち女性は8人いますが、フォークリフトを運転している女性は私だけです」
 ― 仕事のやりがいは。
 「1日の作業が無事に終わったときにやりがいを感じます。特に短期間で終わらせなければならない作業をやり遂げたときは達成感も大きいです。倉庫の仕事はチームプレイで行うものから、検品作業など個人で集中力して行うものなどいろいろありますが、どのような仕事でもやりがいを感じています」
 ― 実際に働いて大変だったことは。
 「想像以上に頭を使う作業が多かったことです。当初は肉体労働のイメージがあり、体を動かして働くことがメインになると思っていたのですが、取り扱う貨物の数や品名など見て作業を考えなければなりませんでした。特に倉庫の責任者として庫内の貨物の配置や作業などを考える『倉方』を任されていたときは、荷物をどのように入れ替えていくかなど考えなければならないことがたくさんありました」
 「また、フォークリフトの運転は会社から『やってみないか』と声をかけてもらい、自分としてもその気持ちが強かったので挑戦しました。ただ免許取得後も作業に慣れるまでには苦労しました。フォークリフトは貨物をかかえているときは前が見えないので、バックでの走行やハンドル操作に慣れるまでは運転が難しいです。いろいろな先輩たちに作業を見てもらい、アドバイスをもらいました。実際に貨物を取り扱うまでには、先輩社員の指導の下、空パレットの積み上げなどでも練習しました。免許取得から3年ほど経って本格的にフォークリフトの作業を開始し、最初は比較的軽い貨物から取り扱っていろいろな貨物に慣れていきました」
 「他方、就業環境の面では特に苦労した点はありませんでした。女性用のトイレや更衣室は既にあり、入社前から女性の先輩もいました。男性社員とのコミュニケーションで困った部分もありません。私自身も分からないことがあれば物怖じせずに質問できる性格なので、特に困ったことはありませんでした」
 ― この仕事に向いている人は。
 「社交性があり、明るい人ではないかと思います。自分からしっかりコミュニケーションを取れる人が長く続きます。作業の進め方が分からないときに自分から質問できることも大事です。私たちも新しく入った人のことは気にかけて見ますが、その人が分からないことが分からなければわれわれも対処できません。やはり自分から聞く姿勢は大事だと思います」
 ― 女性が長く仕事で活躍するには。
 「私としては現在の仕事に不満はありません。私は産休・育休を経て、現在の仕事を続けていますが、例えば子どもが熱を出したときは職場の皆さんが『すぐに帰ってあげて』と言ってくれます。現在職場には子どもがいる人も多く、理解してもらえる部分も多々あります。男性社員で育休を取っている人もいて、また時間外作業は現在ほとんどありません」
 ― 仕事と子育てをどのように両立しているか。
 「現在の就業時間は午前8時~午後4時。産前産後で働き方の変化はありません。子どもが保育園に通っていたころは、朝は家族が子どもを送り、帰りは私が迎えにいくなど分担していました。一方で、ライフステージが変わったときに家族との調整が上手くいかなければ仕事が続けられないということにもなってしまうと思います。私は家族に対して産後も仕事を続けたいという気持ちを伝え、理解を得ることができましたが一緒に働いていた女性社員にはそのあたりの調整が難しくて仕事を辞めてしまった人もいました」
 ― 物流業界で働く女性を増やすには。
 「まずはパートやアルバイトなどを通じて実際に倉庫の現場を見たり、自分で作業してみたりするのが良いかと思います。私自身も入社前に検品作業をしながら横目で見ていたフォークリフトに乗ってみたいと強く思うようになりました」
 「今後はぜひフォークリフトなど乗り物に興味がある女性と一緒に働いてみたいです。男性社員に教えるのとはまた違ったおもしろさがあるかもしれません」
(聞き手:山﨑もも香、取材協力:日本港運協会)

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