2025年2月26日無料公開記事

大阪で貿易DXサミット開催
Shippio、横のつながり構築で課題解決へ

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対談ではShippioのサービス利用事例を紹介した(WeWorkなんばスカイオ)

 デジタルフォワーダーのShippioは19日、大阪市内のWeWorkなんばスカイオで「貿易DXイノベーターズサミット@関西」を初開催した。荷主企業の貿易担当者や物流企業の関係者などが参加し、国際物流や貿易実務における課題の共有や、ともに解決策を模索するなど、交流を深めた。サミットでは、Shippioのサービス活用事例について繊維専門商社であるスタイレム瀧定大阪とShippioの対談も行われた。Shippio導入までの経緯や導入効果について生の声が紹介された。
 Shippioの佐藤孝徳CEOは、貿易DXイノベーターズサミット開催のねらいについて、「国際物流・貿易領域における日本全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速していくためには、当社1社ではどうにもならない。ステークホルダーの多い産業は、コミュニティの力や横につながる力が重要だ。物流やサプライチェーンは、お互いの手の内をなるべく明かさない世界だったが、人工知能(AI)やプラットフォーム(PF)が出てくると意味をなさなくなる。どのように(AIやPFなどを)活用していくのかということや、どのような失敗例があって、より効率的に成功例に近づけるためにどのように取り組んでいくべきなのかということを、皆で共有し、悩みを話し合う場所を作っていきたい」と話した。同サミットは、今後も定期的に開催していく方針だ。
 Shippioは荷主企業向けにデジタルフォワーディングサービスと、貿易業務SaaS「Any Cargo」を提供するほか、国際物流事業者向けにコミュニケーションPF「Shippio Works」を提供している。通常、荷主が国際物流・貿易業務の効率化に向けて新たにシステムを構築・導入するためには、巨額の初期投資が必要になるが、物流のような直接利益を生み出さない領域には会社として投資がしにくい事情もある。こうした中、ShippioのSaaSプロダクトを活用することで、初期投資コストを抑えて、デジタル化や業務の効率化を図ることが可能となる。スタイレム瀧定大阪も当初はさまざまなシステムを検討していたが、手軽に導入できる点を評価し、導入を決めた。
 スタイレム瀧定大阪はShippioの導入効果について、デジタル化によって紙の書類が減り、書類管理や税関の事後調査への対応が行いやすくなるほか、関係者間における実務上のメールでのやり取りも削減され、業務効率が大幅に高まった点を紹介。また、関係者間で貿易業務全体が可視化されることで、属人化を防ぐとともに、潜在的な問題を早急に把握し、解決することが可能になった点もメリットとして挙げた。

佐藤孝徳CEO(WeWorkなんばスカイオ)

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