1. コラム

2021年12月3日

最後の新造船

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◆「この手であの大きな船を造ったんだなって思うと、ものすごく誇らしい気分だった」。湊かなえ氏の短編小説集「望郷」の中の「光の航路」の一節だ。「望郷」は2013年の直木賞候補にノミネートされた作品で、同氏が先月中旬にNHKの朝の情報番組で因島出身ということを話していたのをきっかけについ最近になって読んでみた。内容はかつて造船業で栄えた「白綱島」という架空の島で教師をする主人公が、教師であった...