2025年5月13日無料公開記事洋上風力発電

台湾洋上風力発電事業に出資参画
商船三井、建設で人員派遣や作業船提供

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左から、CIPのパートナーのゴードン・ホワイト氏、パートナー兼APACリージョナル・ヘッド・フォー・ザ・フラッグシップ・ファンドのトーマス・ウィブ・ポールセン氏、マネージング・パートナーのヤコブ・ポールセン氏、商船三井の杉山正幸常務執行役員、森口岳泰風力事業ユニット長

 商船三井は9日、台湾沖の洋上風力発電事業に出資参画したと発表した。フェンミャオ洋上風力発電所の開発プロジェクトに建設段階から参画し、知見を得ることを目的とし、人員の派遣や作業船の提供を行う。今回の事業参画に伴う商船三井の総投資額は約250億円となる見込みだ。同社が台湾の洋上風力発電事業に参画するのはフォルモサ1洋上風力発電所に続く2件目。台湾ではこのほか、サービス・オペレーション・ベッセル(SOV)事業を展開しており、洋上風力先進地の台湾で着実に経験を蓄積していく。

 コペンハーゲン・インフラストラクチャ・パートナーズ(CIP)からCIフェンミャオの10%株式を取得することで合意した。CIフェンミャオはCIPが事業開発を進める総発電容量495MWのフェンミャオ洋上風力発電所を管理運営するフェンミャオ・ウインド・パワーの100%出資者。
 同事業の風車の建設工事は2025年3月の最終投資決定と同時に開始しており、27年末完工を予定している。商船三井は建設段階から人員を派遣し、建設工事をはじめ洋上風力事業についてさらなる理解を深めることを目指す。また、建設・メンテナンス支援の作業船の提供などを通じて同事業に貢献するとしている。
 同事業から発電される電力は締結済みの売電契約を通じてグーグルや台湾の大手半導体ファウンドリのユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)など民間企業6社に供給される。
 商船三井は洋上風力発電事業をグループ経営計画「BLUE ACTION 2035」におけるポートフォリオ戦略の具体的なアクションプランの一つとして位置づけ、洋上風力発電のバリューチェーン全体で幅広いサービスの提供に取り組む。台湾の大統海運との合弁会社の大三商航運(TSSM社)を通じたSOV事業をはじめ、浮体式洋上風力開発を手掛けるオドフェル・オーシャンウインドへの出資、国内でのCTV(クルー・トランスファー・ベッセル)運航、風力発電メンテナンス企業の北拓との資本提携など、調査から建設、O&M(運転保守)に至るまでメニューを拡げている。

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