2025年2月20日無料公開記事洋上風力発電
洋上風力の最新技術など紹介
国際風力発電展、都内で開幕
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WIND EXPO【春】~第15回 [国際] 風力発電展~が19日に東京ビッグサイトで開幕した。海運、造船、舶用機器メーカーなど海事産業も含め、関係する企業らが洋上風力発電分野などの最新サービス・技術を紹介した。会場内には浮体式洋上風力ゾーンが設けられているほか、今回は特別企画として世界洋上風力フォーラム(WFO)、産学連携洋上風力人材育成コンソーシアム、長崎大学海洋未来イノベーション機構の主催により「洋上風力人材育成フォーラム」を開催する。会期は21日まで。
日本郵船、商船三井、川崎汽船がグループを挙げて出展しているほか、東京汽船、深田サルベージ建設といった海運会社、日本海事協会などの船級、三井E&S造船、カナデビア、みらい造船、三菱重工業、JFEグループ、日鉄エンジニアリングといった造船・重工・エンジニアリング会社、古野電気、日本無線、沖電気工業などメーカー各社、五洋建設や東洋建設など海洋土木会社や地質調査会社など多数出展している。
初日の基調講演では資源エネルギー庁の古川雄一風力政策室長が日本の洋上風力政策の現状について講演した。2030年度の導入目標5.7GWに向けては現在、港湾区域と一般海域合わせて5.1GWの案件形成が進んでいることを報告した。
18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画について、「2040年度の電源構成における風力発電の割合4~8%という数値について、もう少し野心的な目標を掲げてもいいのではないかという問い合わせもあった。今回の数値はコスト最適化の考え方に基づく計算モデルを用いて計算したもの。再エネの主力電源化に向けた切り札としての洋上風力という政府の姿勢がぶれたものでは決してない」(古川室長、以下同)と説明した。
洋上風力公募に向けた促進区域の指定について、「北海道松前沖では法定協議会の意見も取りまとめられており、指定について問い合わせをいただくことがあるが、同区域では系統接続など事業性の確保について関係者とコミュニケーションをとりながら促進区域化に向けて引き続き調整を行っている」と語った。
また、昨年10~11月に洋上風力促進小委員会で議論された洋上風力公募の制度検討については「個別の具体的なプロジェクトを念頭に置いたものではなく、昨今の洋上風力業界を取り巻く世界的な情勢を踏まえて取りまとめた」とし、洋上風力発電の電源投資を確実に完遂させることを主軸としたものだと説明した。
続いて、国土交通省港湾局の白井正興海洋・環境課長が登壇し、基地港湾の整備状況や洋上風力導入に向けた課題などについて講演した。また、浮体式洋上風力の海上施工シナリオの検討状況を説明。関係事業者へのアンケート結果を紹介し、海上施工に関する前提条件として、風車の規模は15~20MW、浮体基礎のタイプはセミサブ型と回答したものが多かったことを報告した。「前提条件として、1区画あたり900~1100MW、風車50~70基程度を1つのプロジェクトとして、施工期間は2~3年を想定して施工シナリオの検討を進めている」(白井課長)。