2025年9月18日無料公開記事洋上風力発電

浮体式洋上風力やCCSなど最新技術紹介
スマートエネルギーWEEK、幕張で開幕

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 新エネルギー総合展「スマートエネルギーWEEK【秋】2025」が17日、幕張メッセで開幕した。会期は19日まで。同総合展内で開催される「WIND EXPO【秋】~第16回 [国際] 風力発電展~」では、特別企画として「浮体式洋上風力ワールド」を実施し、浮体式洋上風力技術に特化した展示・カンファレンスを行っている。また、スマートエネルギーWEEKでは今回、「CCUS EXPO~第1回[国際]CO2の分離・回収・利用・貯蔵技術展~」が初開催され、関係する企業らがCCS(CO2回収・貯留)/CCUS(CO2回収・利用・貯留)に関する取り組みなどを紹介した。
 風力発電展には東京汽船や日本中小型造船工業会、五洋建設、古河電気工業らが出展。CCUS EXPOには三菱重工業やENEOSエクスプローラ、INPEX、大阪ガス、カナデビアらが出展した。
 風力発電展の特別講演では、JERA Nexと英石油大手BPの洋上風力発電事業を統合し、両社の共同出資により8月1日に発足した合弁会社JERA Nex bpの山田正人CEOが登壇した。山田CEOはJERAらのコンソーシアムが落札した第2ラウンドの秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖の洋上風力事業の開発状況について、「パートナーとともに不退転の決意で推進している。2028年6月に運転を開始するという世界的に見ても非常に野心的なスケジュールだが、これを何としても守る。既にタービンメーカーへの発注は済ませており、陸上工事についても、秋田港の造成整備が進んでいる。内陸部のケーブル敷設工事、変電設備の工事も順調に進んでいる」と説明した。
 また、日本の洋上風力業界が抱える課題について分析したうえで、講演の最後に「JERAグループとして皆さんに伝えたいメッセージはたった一言で、『洋上風力を止めるな』。このままでは止まってしまう可能性がある。皆さん一緒に声を上げて、自分たちで努力をし、さまざまな知恵を出しながら、洋上風力を日本に根付かせ、拡大し、安心してエネルギーを供給できる体制を作っていきたい」と聴講者に呼びかけた。
 風力発電展の会場内で行われた浮体式洋上風力セミナーでは、プリンシプルパワージャパンの細川晃カントリーマネージャーが登壇し、同社が開発する浮体基礎技術「ウィンドフロート」を紹介した。同社ではセミサブ型で、サプライチェーンや風車のサイズに応じた4種類のデザインを開発している。細川カントリーマネージャーは現在の開発状況について、「これまでの搭載実績は8~10MW級風車だが、われわれが今取り組んでいる設計は最小で15MWで、22MW級の設計の実績もある」と説明した。また、同技術の海外での採用・運転状況や、プロジェクトファイナンス付きの案件での採用実績についても紹介した。

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