2025年5月26日無料公開記事バリシップ2025

【バリシップ2025】
広銀・清宗頭取の講演や舶用・船主のパネル討論
バリシップフォーラム、今治夢スポーツ岡田会長の講演も

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広島銀行の清宗頭取

 「バリシップフォーラム2025」2日目の23日、広島銀行の清宗一男頭取と、今治.夢スポーツの岡田武史会長による特別講演、舶用メーカー首脳、船主経営者それぞれによるパネルディスカッションが開催された。
 フォーラム2日目の冒頭、広島銀行の清宗頭取が「造船・海運業と共に、『未来を、ひろげる。』」と題し特別講演を行った。広島銀行における造船・海運業へのこれまでの取り組みを紹介し、将来に向けた取り組みの展望を語った。造船業に対しては、大量建造期のリプレースや次世代船舶の新造需要が見込まれる中で「2030年に次世代船舶の受注量でトップシェアを確保できるよう、産官学金で連携できる体制に貢献していきたい」とし、次世代船舶建造や生産性向上に対する設備投資への資金対応、効率化支援に向けたスタートアップ企業とのマッチング、人材支援などの取り組みなどを進めていくとした。海運業に対しては、今後グローバル化の進展や次世代船舶などの環境対応などで海運ビジネスの多様化が進んでいくことから「チャレンジを支援できる体制づくりを行っていく必要がある」と語り、船舶共有スキームへの参画などによる資金仲介機能の充実や資金ニーズへの最大限対応、海外進出支援や事業所支援の強化といったサポートを挙げた。「このような取り組みに造船業の取引先との支援を掛け合わせて、日本海運業が世界における船腹量シェアを拡大できるよう支援したい」(清宗頭取)。
 続いて、「舶用メーカーの経営戦略」をテーマに舶用メーカー首脳によるパネルディスカッションが行われた。国土交通省の河野順四国運輸局長の司会で、大洋電機の山田沢生社長、ナカシマプロペラの中島崇喜社長、眞鍋造機の眞鍋将之社長、三井E&Sの高橋岳之社長がパネリストとして登壇した。カーボンニュートラルや代替燃料の普及に向けた期待や課題、各社のグローバル化戦略、舶用業界のインテグレータやM&A(企業の合併・買収)などを通じたビジネス展開、人材確保に向けた工夫・取り組みといった多岐にわたるトピックについて議論が交わされた。
 午後のセッションでは、今治.夢スポーツの岡田会長が「チームマネージメント~今治からの挑戦~」をテーマに特別講演を行った。
 フォーラム最後のプログラムは船主パネルディスカッションで、「投資難の時代を切り拓く」と題して有力船主が議論した。パネリストとして登壇したのは青野海運の青野力社長、瀬野汽船の瀬野洋一郎社長、双輝汽船の河上洋右社長、洞雲汽船の大河内亮介専務、東慶海運の長谷部圭治会長、日鮮海運の阿部克也社長。司会は広島銀行の吉崎能章執行役員今治支店長が務めた。
 バリシップフォーラム2025は海事プレス社、今治市海事都市交流委員会、インフォーママーケッツジャパンが主催。日本海事協会によるランチ提供(23日)、Mマリタイムによるコーヒーブレーク提供があった。カレリス・ナビス、パナマ海事庁が協賛した。

舶用パネルディスカッションの様子

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