今治市で22~24日に開催される海事展「バリシップ2025」で商船三井テクノトレードが保有する水素とバイオ燃料のハイブリッド電気推進旅客船“HANARIA”の見学会、体験クルージングが開催される。21日にメディア向けの見学会が今治港第二桟橋で開催され、同社の福島正男社長は「今治市に招待いただき、バリシップで披露できることを感謝している。3日間、多くの方々に見ていただくとともに体験乗船をしていただき、水素燃料船の“静かさ”を体験していただきたい」と語った。別項の通り、
同船は「シップ・オブ・ザ・イヤー2024」に選ばれた。
同船は昨年3月に本瓦造船で竣工、同年4月から下関、門司港で観光船として就航している。商用の水素燃料船として国内初。昨年11月にはバリシップのプレイベントとして今治市がチャーターし、約800人が見学した。今回バリシップに合わせて再び今治に来港。期間中、見学会が行われ、ゼロエミッション運航も披露される。
“HANARIA”は、発電ユニットの動作モードとして、停泊モード、航海モード、陸上電源受電モードの三つのモードを持つ。航海モードでは、燃料電池とリチウムイオンバッテリーによるゼロエミッションモードと、発電機を併用したハイブリッドモードなどを選択できる。
大型タンクを複数本組み合わせた水素タンクモジュールを搭載。陸上の水素ステーションで充填されたタンクを載せ替えるカセットボンベ方式で本船に水素燃料が供給される。8基・約150㎏の水素を搭載できる。フル充填の場合、4時間ほどのゼロエミッション運航が可能という。
旅客定員は103人。毎週金曜~日曜は一般客向けのクルーズ、それ以外の日は企業など向けのチャーターを提供している。