2025年5月19日無料公開記事
再生森林「ゆうのもり」1周年式典
日本郵船、「リターン・オン・アースを推進」と長澤会長
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日本郵船は16日、同社が整備・運営する静岡県御殿場市の森林「ゆうのもり」のオープン1周年記念式典を現地で開催した。長澤仁志会長は開会あいさつで「当社グループはESG、サステナビリティを経営を中心に置くことを決めた。当社グループは約900隻を運航し、世界中の皆さまに必要なものをお届けしている。海をきれいにするためには川をきれいに、川をきれいにするためにはその水をつくっている森をきれいにする必要がある。企業ではROE(リターン・オン・エクイティ)という言葉を使うが、もう一つROE、“リターン・オン・アース”、海と地球をきれいにしようということでこの取り組みを始めた」と語った。
長澤会長はこの活動について「お陰様で1年経ってずいぶん形も整ってきた。現場で頑張ってくれている2人、そしてそれを支えている東京本社の人間、全社を挙げてこのプロジェクトを推進してきた。御殿場の地でこのプロジェクトをますます発展させていきたい。環境問題は絶対的に解決していかなければならない大きな課題。われわれが一企業としてできることは限られているが、全力を挙げてこの土地を自然豊かに再生する。この事業を始めたもう1つの大きな目的は、世界で約3万5000人にいるグループ社員が集っていろいろな形で交流を深めてもらうことだった。グループ社員のみならず御殿場の小中学生あるいは市民の方々に来て頂けて憩えるような、人の交流が進むようなものにしていきたいと心から思っている」と説明し、関係者の支援への謝意を示した。
来賓を代表して御殿場市の勝又正美市長があいさつし「本市は“木育”を進めているが、この『ゆうのもり』の施設と共に“木育”のさらなる推進ができればと思っている」と述べた。
ゆうのもり管理事務所の間庭浩氏(サステナビリティ経営グループ森林プロジェクトマネージャー)が開所後の活動を振り返り、「この1年でボランティアに参加してくれた当社グループ社員は延べ420人。まだまだ間伐の残材処理、植林作業などやることは盛り沢山で、毎日これらの課題を目にしていると気が遠くなる時もあるが、山に関しては素人軍団の船会社でも市民の方々のお力添えを頂きながら、勉強しながら、“木の畑”をきれいな森に変えられるんだということをこの御殿場から全国に発信できたらという思いも非常に強くなった」と語った。
式典後、長澤会長と勝又市長による記念植樹と、出席者に施設内の森林を案内するフィールドツアーが行われた。
日本郵船の吉浦章貴サステナビリティ経営グループ長が閉会のあいさつを行い、「御殿場市を始め関係の皆さま方のご協力を頂きながら何とかこの1年森づくりを進めることができている。当社のグループ社員がこちらにお邪魔して森づくりに参加してきたが、みんなに声をかけて今まで以上にこちらに足を運び、自然に触れあい、帰りには御殿場市のものをいろいろ購入させて地域振興にご協力できればと思っている」と語った。
式典出席者の記念撮影
あいさつする長澤会長
長澤会長と勝又市長による記念植樹
フィールドツアーのようす