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「DX推進室」新設
栗林商船、収益力強化とビジネス創出目指す

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 栗林商船は7日、「DX推進室」を4月1日付で新設したと発表した。同社は今年2月に発表した2025年度から3カ年の中期経営計画の重点施策の一つとしてDXの推進を掲げており、「単なる業務効率化の枠にとどまることなく、収益力強化、新たなビジネスモデル創出などを実現すべく自律的な変革を促すことを目指し、聖域を設けずに全社施策としてデジタル化を推進する」としている。
 栗林商船でIT・デジタル部門を管掌する栗林広行常務取締役は「DX推進の必要性を強く意識したのは、法人・個人を問わず世の中全体でデジタル化が急速に進展する外部環境の中で、今までのやり方を当たり前としてとらえてはいけないという『危機感』を持ち、それを全役職員で共有すべきだと直感的に感じたことがきっかけだった」としたうえで、「他社が先進的にデジタル化を推進している点を率直に見習うと同時に、一方で内航海運事業独自の目線によるデジタル化の可能性を追求していく。当社の100年を超える歴史の中で、現場での日々の努力に注力するあまり、個別最適化してしまったシステム環境もあるかもしれない。全社施策としてDX推進に取り組む過程で、聖域を設けずに全体最適化を図り、経営ビジョンにも掲げているように『常に挑戦』し続けていく」と述べた。
 同社は2024年5月に「DX推進準備室」を試行的に発足。営業・非営業を問わず各部門のメンバーが兼任で参画し、約6カ月かけてデジタル技術活用による自社の「あるべき姿・なりたい姿」を整理した。また、全役職員から日常的に感じている現場目線でのデジタル関連課題を挙げてもらい、非デジタル分野を含めて多種多様な課題を認識。それらの課題をカテゴリー別に分類し、デジタル技術適用によって改革が可能な領域の特定に努めてきた。その過程で、顧客管理・プロセス可視化を目的としたSFA(セールス・フォース・オートメーション)・MA(マーケティング・オートメーション)などの各種ツールのほか、同社グループ全体で保有するデータ資産共有の可能性追求を目的としたBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールの選定を進め、既に利用を開始した。これらの活動を名実ともに永続的な全社施策として位置付けるために、DX推進準備室をDX推進室(金香周吾室長)へと発展的に改組した。

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