2025年3月24日無料公開記事海事都市今治

内航ミライ研究会らと災害協定
今治市、船上コンテナ型バッテリー貸付など

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今治市役所で行われた協定締結式(左からSIM-SHIPの浦山秀大社長、徳永繁樹今治市長、和幸船舶の安井和弥社長、内航ミライ研究会の曽我部公太理事)

 愛媛県今治市は19日、和幸船舶、SIM-SHIP、内航ミライ研究会の3社と「船舶に搭載したコンテナ型バッテリーの貸付等に関する災害協定」を締結したと発表した。今治市内で地震、風水害などの災害で停電が発生した場合に、和幸船舶が所有する内航船「SIM-SHIP1 mk2“ちゅらさん”」に搭載されたコンテナ型バッテリーを今治市が借り受けて活用することを想定している。
 19日に今治市庁舎で徳永繁樹今治市長と3社による協定書への署名が行われた。
 和幸船舶が所有するSIM-SHIP1 mk2“ちゅらさん”は、内航ミライ研究会が進める次世代内航船「SIM-SHIP」プロジェクトの1つとして今治市内の矢野造船で昨年12月に竣工。コンテナ型バッテリーを搭載し、船内機器の電動化・自動化を進めることで省エネ・二酸化炭素(CO2)排出削減と船員負荷低減を実現している。
 災害協定では、今治市からの要請を受けた場合にSIM-SHIP1 mk2“ちゅらさん”が今治港などに着岸し、着脱可能なコンテナ型バッテリーをトラックに積み直して避難所などへ輸送する。このコンテナ型バッテリーは携帯電話であれば約1万台の充電を賄うことができ、停電などが発生した場合の非常用電源として期待されている。
 また、災害によって陸上交通が遮断され、海上ルート以外で物資輸送を行うことが困難な場合には、市の要請を受けて支援物資を海上輸送することも協定に盛り込んだ。

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