内航変革向け「ＮＸ補助金」創設
国交省海事局、海運と造船・舶用の協力が条件

　国土交通省海事局は２月29日、内航事業者が造船・舶用事業者と連携し、ＤＸやＧＸといった社会変容や船員の高齢化などの課題に対応しつつ、物流革新や洋上風力産業への参画といった新たな社会ニーズに貢献できる技術開発・実証事業を募集すると発表した。採択された事業に対してＮＸ補助金（内航変革促進技術開発費補助金）を助成する。募集期間は４月８日まで。
　ＮＸ補助金の2024年度予算は２億3500万円。補助率は事務経費の２分の１以内で限度額は単年型が6000万円、複数年型は２年または３年で合計１億円とする。採択件数は５件程度を見込んでいる。
　同日開催の専門紙記者懇談会で、国交省の海谷厚志海事局長は「事業の具体的な内容としては、船員の労働負担が大きい荷役作業の自動化や容易に燃料転換を可能とする機器の開発、洋上風力に安全かつ効率的に人員を輸送する新しい型式の船舶・設備といったものを期待している。早期に社会実装を可能とすることを念頭に、技術の利用者である内航海運事業者と開発者である造船・舶用機器事業者が共同で申請することを条件とした」と説明した。