2023年11月20日無料公開記事洋上風力発電

第3ラウンドの公募指針など議論
国交省/エネ庁、洋上風力合同会議

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 国土交通省と資源エネルギー庁は15日、洋上風力促進に関して総合資源エネルギー調査会と交通政策審議会の第20回合同会議を開催した。第3ラウンド公募となる「青森県沖日本海(南側)」「山形県遊佐町沖」の公募占用指針やセントラル方式運用方針、促進区域指定ガイドラインの改訂、排他的経済水域(EEZ)への展開に向けた論点について議論した。
 第3ラウンドの公募占用指針については、第2ラウンドとおおむね同様の案が示された。落札制限については両海域の合計系統容量が1GWを大きく超えないことから適用しない。委員から異論はなかった一方で、現在選定が行われている第2ラウンドについて選定後の公募の振り返りや今後の落札制限の必要性を議論していく必要があるとの意見が挙がった。
 セントラル方式運用方針については、サイト調査基本仕様と合わせて案を作成する。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から提供する調査データの取り扱いと提供方法や、浮体式を対象とした海底地盤調査における調査仕様の設定の考え方などについて議論した。浮体式の海底地盤調査では、選択する係留方式やアンカー形式によって調査で必要とされる水準が異なることなどから、要求水準をどのように決定すべきか検討する必要がある。検討にあたり、JOGMECが10社以上の事業者に対してヒアリングを行った。その結果、ドラッグアンカーを想定する意見が多いが、他のアンカー形式も選択肢として想定する事業者が複数存在することや、いずれのアンカー形式であっても最低限必要となる水準による調査が望ましい旨の意見が比較的多いことが確認された。これらを踏まえ事務局側は共通項となる基礎的な内容を基本仕様で整理しつつ、有識者の意見や事業者ニーズを基に、調査区域ごとに作成する「個別仕様」の中で確定する一案を示した。
 また、今回、再エネ海域利用法に基づく海域占用許可と、都道府県条例に基づく海域占用許可の関係についてあらためて整理した。一般海域における洋上風力の案件形成では、これらの2種類の事例が存在する。経産省・国交省は過去2回、考え方の明確化を行っており、3万kWを1つの目安とする一定規模以上の発電設備が設置可能である区域では再エネ海域利用法に基づき進めていくことが適切という考え方を示しているが、都道府県条例との関係についてあらためて明確化する方針を示した。
 EEZへの展開に関する議論は同会議において今回初めて行われた。事務局側が、区域創出や事業者決定プロセス、選定基準、海域利用料の徴収の是非などについて論点を提示し、委員らの意見を募った。

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