2025年9月16日無料公開記事洋上風力発電
浮体式基礎量産へ製造場所確保
大島造船所、香焼工場のドック分割変更
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大島造船所が、浮体式洋上風力発電向けの浮体式基礎の量産に向けた準備を進めている。このほど、香焼工場の新造ドックに製造エリアを確保することを決めた。ドック内にゲートを追加で設置し、カムサマックス型の新造船2隻を縦列で建造できる体制を維持しながら、浮体式基礎も量産できる場所を設ける。
香焼工場のドックは全長1000mの国内屈指の大きさを誇る。かつて三菱重工時代には、VLCCや大型LNG船を縦列で建造しており、それに適した形でドックを分割するゲートが設けられている。大島造船所は、工場を継承した後はドックを2分割してバルカーを2隻同時で建造しているが、このドックを3分割で利用できるよう新しいゲートを26年度中に設置する。
これによりドックの海側には、浮体式基礎を量産するためのエリアが設けられる。また新造船についても、同社が主力とする全長230mのカムサマックス・バルカーなど中小型船型は、2隻同時に縦列で効率的に建造できる。ドックの最適運用を図る格好だ。
大島造船所は経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」として、香焼工場で浮体式基礎量産に向けた設備投資計画を立てている。香焼工場での浮体基礎製造能力は、2029年までに年30基まで増強する方針だ。