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2025年5月20日無料公開記事バリシップ2025

【バリシップ2025】
今治港に内航の未来技術ゾーン
バリシップ、“ちゅらさん”公開と12社ブース出展も

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バリシップで公開される次世代内航コンテナ船“ちゅらさん”のイメージ

 22日から今治市で開催される国際海事展「バリシップ2025」では、今治港に内航船の新技術展示ゾーン「内航のミライエリア」が設けられる。次世代内航船のコンセプトシップ『SIM-SHIP1 mk2』として昨年末に竣工した“ちゅらさん”(船主・和幸船舶、運航・丸三海運)の船内公開と合わせて、本船が停泊する岸壁の前に12社が展示ブースを設置し、内航船の次世代技術を紹介する。
 今治港に展示ゾーン「Mゾーン」が設けられ、テント5棟に12社が出展する。展示を予定しているのは、ソフトバンク、海上技術安全研究所(海技研)、ナカシマプロペラ、中国電機サービス、内航ミライ研究会、SIM-SHIP、SKウインチ、ハブネス、石田製綱、ザブーン、caso、SAI商事。各社がブースで実機やパネルの展示、動画放映などを予定している。プールを設置して模型船の遠隔操船のデモを予定しているほか、石田製綱が高性能ロープを用いた綱引きチャレンジを行うなど、趣向を凝らす。
 船陸を組み合わせた展示も行われる予定。“ちゅさらん”に搭載された陸上サポートシステム「RIKU-SAPO」のデモとして、海技研のブースでは実際に本船の船内データを表示する。
 “ちゅらさん”の船内公開では、本船に搭載された次世代機器も実際に見学できる。デッキ上に搭載されたコンテナ型バッテリーシステム「ミライバッテリー」や省エネ型甲板機械「スマートデジタルウインチ」を見ることができるほか、ブリッジでは、「RIKU-SAPO」の表示や高度空気潤滑システム「ZERO」の制御などを行う「ミライパネル」や、前面ガラス上に掲げられたサブモニタ「ミライモニタ」、船外では水中ロボットのデモを公開する。
 前回2023年のバリシップでは、内航ミライ研究会が中心となって今治港で次世代内航船“國喜68”を展示し、3日間で3300人が訪れた。今回は、今治港がバリシップの正式な展示ゾーンとして位置づけられた。エリアはSIM-SHIP社が企画したもので、同社の曽我部公太専務(SKウインチ社長)は「“ちゅらさん”もブリッジなどを作りこんでいるので、一般の人にも『未来の船』を感じてもらえると思う。今後、このゾーンが発展し、次世代の若者に内航船の世界が認知されるきっかけになっていけば」と期待を込める。

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