1. コラム

2017年1月13日

(230)路を譲る

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 元日、正月といっても心を新たにする感じは年々遠のいて行く。あの一休さんは「門松は冥土の旅の一里塚。めでたくもありめでたくもなし」と詠んだ。夏目漱石は「元日を御目出たいものときめたのは、一体何処の誰か知らないが、世間がそれに雷同しているうちは新聞社が困るだけである」と水をかけている。漱石は大学講師を辞して朝日新聞に入社した経歴があり、上記は彼が自ら称するところの“新聞屋”に転じてからの弁。...