2025年5月23日無料公開記事バリシップ2025
【バリシップ2025】
「バリシップ2025」開幕、380社参加
環境など最新技術を紹介、最終日は一般公開
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国際海事展「バリシップ2025」が22日、愛媛県今治市で開幕した。2009年から隔年で開催しており、展示会は8回目。展示会場の「テクスポート今治」や、今治港に設けた新展示エリアなどで、過去最大規模となる24カ国・約380社が出展し、環境対応をはじめとする最新技術の発信やビジネスマッチング、情報交流の場となる。24日までの3日間の期間中、各種プレゼンテーションやセミナー、今治国際ホテルではフォーラムも行われる。最終日は地元住民や子どもたち向けに一般公開される。
展示会はインフォーママーケッツジャパンが主催、今治市と今治市海事都市交流委員会が特別後援し、国土交通省や海事業界団体などが後援する。
開会式で、主催者であるインフォーママーケッツジャパンのクリストファー・イブ社長は「今回は出展社の数が増え、最大規模の展示会として、素晴らしい3日間にできる」と語り、開催への期待を示した。また、「バリシップは、日本ナンバーワンの海事都市・今治の最新技術や製品、サービスが分かる展示会。トレンドや技術、マーケットの情報を収集できる場でもある。目で見て、耳で聞く展示会として、ぜひ3日間をたっぷり活用してほしい」と呼びかけた。
徳永繁樹今治市長は、「今治市は今年1月に合併20周年を迎えた。その成果の一つが、日本最大の海事都市を標榜できるようになったことだ」と語り、さらに海事産業による地域経済への波及効果についても言及した。
今治市海事都市交流委員会の檜垣幸人会長(今治造船社長)は、前日の土砂降りから一転して快晴になったことに触れ、「バリシップは雨が降らない、というジンクスを守ることができた」とあいさつ。続けて、コロナ禍を契機とした巣篭り需要やウクライナ危機、米国の関税措置などによりサプライチェーンの重要性が高まる中で、「日本の貿易の99%は船で運んでおり、その船に関わる産業が、ここ、今治に集積し、日本最大の海事都市となっている」と強調。さらに「今回は過去最大の380社が出展している。次の若い世代が、海事産業に入りたいと思ってくれるような、魅力あふれるイベントもしているので、ぜひこの3日間、楽しんでほしい」と述べた。
来賓を代表してあいさつした愛媛県の中村時広知事は、「最新技術が集うバリシップから、次なる時代を担っていく、新たなスタイルの船が誕生するかもしれない」との期待を述べ、展示会の意義を強調した。
続いて同委員会のメンバーや来賓、地元の小学生らがテープカットを行い、バリシップが開幕した。
バリシップ2025のテーマは「今治で未来と出会うーFind the Future in Imabari」。国内外の企業が、環境対応や海事DXなどをテーマとした最新技術を展示する。今治の造船、海運、舶用機器のパビリオンが形成されるほか、今年は今治港に新たな展示エリア「Mゾーン」も登場する。見どころの一つは、次世代内航コンセプトシップ「SIM-SHIP 2」として建造された“ちゅらさん”の展示。また、「シップ・オブ・ザ・イヤー2024」を受賞した商船三井テクノトレードの水素・バイオ燃料ハイブリッド旅客船“HANARIA”の見学会も行われる。
例年以上に、海事関連イベントが今治市内で開催されているのが今回のバリシップの特徴だ。開幕前日の21日には、BEMACの技術説明会や、シンガポール海事港湾庁(MPA)によるセミナーなどが開催され、会期中にもイノベーションイベントなどが予定されている。
また、バリシップは「地域密着・市民参加型イベント」を重要コンセプトに掲げており、その一環として最終日は子どもたちを対象とするイベントが多数開催される。
多くの人で賑わう展示ブース