《連載》次代への戦訓
大型コンテナ船、自動車船を発注
川崎汽船　朝倉次郎氏⑤

　社長時代に一番苦しかった決断は何か。振り返ってみたい。真っ先に思い浮かぶのは12年度の労働組合との海運春闘における交渉だ。海運会社全体の中で一番低い賃上げに納得してもらった。それまではいくら業績が悪くても一番低かったことはなかった。当時の組合執行部の人たちは『僕たちはこの会社が好きだから、会社のために我慢します』と言ってくれた。 　あの頃はそういう社員が多かった。そういうことを言われる...