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2025年6月23日無料公開記事

船上自動野菜栽培システムを提供
アグワ社、AI活用で栽培自動化

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 米国のアグリテック企業「Agwa(アグワ)」は、人工知能(AI)を活用した船上での自動野菜栽培システムを展開している。土や太陽光不要で、乗組員の作業も必要最小限で、化学薬品不使用の新鮮な野菜を育てることができ、航海中の乗組員の健康増進に貢献する。
 長期航海では、出港後10~14日で港から積み込んだ野菜が食べ尽くされるか、傷んでしまうため、。乗組員はその後は冷凍や加工食品に頼らざるを得ず、栄養価の偏りなどの課題が指摘されてきた。
 アグワは、こうした課題への対応策として自律型野菜栽培ユニットを提供する。AIが栽培ユニット内で光や水、栄養素を調整して提供し、正確で均一に野菜を栽培する仕組み。7~10日で野菜を収穫できるため、陸上からの補給に依存せず、船上で安定して食材を確保できる。
 ユニットは冷蔵庫サイズのモジュール式で、船内の限られた空間でも設置可能。栽培できる野菜はレタスやホウレン草などの葉物からトマトまで、多岐にわたる。アグワによると、導入により乗組員の離職率改善などにつながることが期待できるという。
 これまでにマースクやイースタン・パシフィック・シッピングなどの大手船社、シナジー・マリタイムやアングロイースタンなど船舶管理大手が導入しており、日系船社の採用も進む。
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