2025年7月8日無料公開記事
CT混雑・遅延確認機能を搭載
ケプラーのマリントラフィック
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船舶やコモディティの情報・分析サービスを提供するケプラーは、船舶トラッキング・港湾インテリジェンスプラットフォーム「マリントラフィック(MarineTraffic)」に新機能として「コンテナターミナルコンジェスチョン」を追加したことを明らかにした。ターミナル単位での混雑状況や遅延発生箇所をリアルタイムで可視化する。各企業の物流部門やフォワーダーが遅延リスクを事前に把握し、諸手配を効率よく行えるほか、有事の際や突発事項への対応でも迅速、能動的な対応が可能になるとしている。
マリントラフィックは過去15年以上、世界中の船舶の動向・寄港動静を記録し、従来から港単位での混雑・停泊データを提供してきた。また、コンテナトラッキングについても、自社AIS(船舶自動識別装置)データと170社以上のキャリアデータを統合することで、最終揚地までの高精度ETA(到着予定時間)予測や積み替え・ロールオーバー検知、遅延予測、遅延理由の把握、詳細動静履歴などのサービスを提供してきた。
今回追加された「ターミナルコンジェスチョン」は従来の港単位では把握できなかったターミナル単位での混雑状況などを可視化するものになる。
ターミナル単位で待機船、停泊船、混雑状況を把握し、過去・現在・今後の入出港スケジュール情報の入手や予測が可能になる。また、今後6週間の入港予定船の一覧を確認でき、自身の船の優先順位や着桟予測を把握できる。混雑の少ないターミナルへのルート変更、デマレッジ請求の妥当性の確認、ターミナルパフォーマンスのベンチマークと最適化、アンカーエリア・沖待ち位置を含む世界中のターミナルでの船舶位置ライブモニタリングも可能になるとしている。
アジア太平洋を担当するAPACコマーシャル・チーム・リードの山田優氏は「コンテナトラッキングは既に国内外で多くの物流関係者に活用いただき、コンテナごとの到着予想、遅延予測、原因分析、コンテナ全体の管理、顧客対応や方針策定などさまざまなシーンで役立ててもらっている。さらに従来から、ミクロだけでなくマクロな情報・状況を把握したいという声が多くあった」としたうえで、新機能について、「15年以上にわたり全海域・全船舶のAIS情報を自社で取得してきたマリントラフィックだからこそ提供できる情報で、これからも産業に貢献したい」とコメントした。