2025年10月28日無料公開記事
日米、造船協力の覚書に署名
建造能力拡大や技術革新、人材育成で連携
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日米両政府が、造船協力覚書を交わした。トランプ米大統領の来日に合わせ28日夕、国土交通省内で、金子恭之国土交通大臣と米国ハワード・ラトニック商務長官が署名した。今後、日米両国の造船業の建造能力拡大、人材育成、米国投資、先端建造技術の開発などで協力関係を深める。
造船と海事産業の協力を促進するため、日米造船作業部会を設置する。作業部会で具体的な協力策を検討する。
協力の優先テーマとして、日米両国の建造能力拡大、米国海事産業基盤への投資の促進のほか、経済安全保障上重要な公船・商船を中心とした船舶需要の明確化、造船人材育成のための教育・研修の強化などを挙げる。さらに、人工知能(AI)やロボットなど先進的な建造技術の共同開発・実装や、先進船舶の設計・開発などの技術革新でも連携する。
金子国交相は署名式の冒頭で「造船業は日米両国の経済と安全保障を支える、極めて重要な分野。両国が十分な船舶の建造能力を確保し、日米の船は日米で造ることができるよう、造船業を発展させることが重要」とし「本日の覚書は両国造船業の新たな歴史を作り出すもの。造船所の近代化、建造能力の拡大、米国への投資促進、人材育成など、覚書に基づく日米協力を着実に進め、両国造船業の発展を実現する」と語った。
ラトニック長官は「米国はかつて強力な造船業を持っていたが、数十年を経てほぼゼロになるまで落ち込んでしまった。米国にとって造船業の再構築は重要。日本は同盟国であり、友人であり、そして素晴らしい造船業を持つ。一緒に取り組み、米国造船業の再構築に連携できることを楽しみにしている」と語った。