1. コラム

2018年5月11日

(293)トンガリ

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 譬えるなら「冬の台風」。2000年(平成12年)6月、商船三井社長の席に就いた鈴木邦雄氏にはそういう印象があった。ただし、台風といっても豆台風。それが大方の第一感であったろう。  当時の日本経済は1993年(平成5年)のバブル崩壊で安定成長期が終焉し、後に「失われた20年」といわれる低成長期に沈んでいた。中でも海運界はバブルにも無縁の存在だった。景況感でいえば、冷気が骨の髄まで沁み透る、...