1. コラム

2017年2月10日

(234)善の善なる者

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 「一、金五両/右馬代/くす(寄こす)か、くさぬか、こりゃどうじゃ。くすというなら、それでよし。くさぬとなれば、おれがいく。亀の腕には骨がある」(原文は縦書き)  江戸期にしたためられた請求文である。亀は房州(千葉県安房)の馬方。腕に骨のくだりは「自らの腕力に自信あり」の意味。明らかに脅している。まさに簡明直截、小気味よく迫力がある。言語学者の金田一京助氏や国語学者の中村明氏らがいにしえの...